皆さんの働いている会社に企業型確定拠出年金、いわゆる企業型DCという制度はありますか?
企業型DCと言っても企業によって様々な形態があり、企業が用意する投資商品も色々なので、投資初心者の方には難しくてよく分からないという方も多いと思います。
本投稿では、企業型DCについて説明したいと思います。
基本的に当サイトでは、企業型DCを推奨しています。
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは
企業型確定拠出年金(企業型DC)というのは、会社が社員のために提供している年金制度の1つです。
よく年金は3階建てとか4階建てという例えで説明されることが多いですが、企業型DCはその3階部分。
1階部分は国民年金です。
これは全ての国民が加入します。
無職の人や自営業の人は基本、国民年金のみです。
そのため、老後の暮らしが厳しくなる傾向にあります。
次に2階部分。
これは厚生年金です。
厚生年金は民間企業で働く会社員が加入します。
会社員は国民年金も加入しているため、引退後は国民年金と厚生年金の両方が貰えます。
そのため、引退後の生活は割と裕福です。
次に3階部分。
これが企業型確定拠出年金(企業型DC)です。
良い企業(企業型DCを用意している企業)に勤めている人は、この企業型DCに加入できます。
企業型DCは、会社が掛け金を出してくれて、社員が運それを用する制度です。
運用成績によって、退職後に受け取る年金が変わってきます。
運用商品としては、定期預金や保険商品と言った元本確保型の商品や、株、債券、投資信託等の元本確保型以外の商品があります。
これらの商品を社員が選択し、運用する必要があるのです。
ちなみに年金の4階部分は、個人型確定拠出年金(iDeco、イデコと読みます)です。
聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
個人が掛け金を拠出し、個人が運用する年金制度です。
いわゆる自分年金ですね。
iDecoは無職の方や自営業の方も加入可能であり、年金の2階部分にすることもできます。
マッチング拠出とは
企業型DCに加入している企業に、マッチング拠出をしてくれるという企業もあります。
マッチング拠出とは、企業の掛け金に社員が掛け金を上乗せするというものです。
ただし、社員の拠出する掛け金は、企業が拠出する掛け金以下にしなければならないという条件があります。
また、企業が拠出する掛け金と社員が拠出する掛け金の合計が、企業型DCの掛け金拠出限度額を超えないようにする必要があります。
基本的にマッチング拠出がある企業にお勤めの方は、この制度も是非活用するようにしましょう。
選択制企業型確定拠出年金(選択制企業DC)とは
企業型DCは、社員が自動的に加入する場合と、加入するかどうかを選択できる場合があります。
企業型DCに加入するかどうかを選択できるということで、選択制企業DCと呼ばれています。
これは会社が拠出する掛け金を企業型DCとして運用せずに、給料やボーナス、退職金等で受け取るということを選択できる制度です。
給料やボーナスで受け取る場合は、ライフプラン手当といった名前になっていることが多いです。
僕の勤める会社もこの選択制企業DCを採用しています。
ボーナスの一部をライフプラン手当てに置き換え、ボーナスとしてそのまま受け取るか、企業型DCとして運用するかを選ぶことができます。
企業型DCのメリット
企業型DCのメリットはズバリ、税制優遇です。
3つの税制優遇があります。
- 運用した時の運用益が非課税になる
- 受け取る時、退職所得控除、公的年金控除の対象になる
- マッチング拠出による掛け金に対しては全額所得控除になる
メリット1:運用益が非課税
通常、株式等を運用して利益が出た場合は、株を売るタイミングで税金がかかります。
税率は20.315%です。
通常の税率20%に加え、震災復興のための税金として0.315%取られます。
企業型DCでは、この運用益に対する税率が0になります。
NISAと似たような感じですね。
メリット2:退職所得控除や公的年金控除の対象
後述しますが、企業型DCは60歳以降に受け取ることができます。
その際、退職金として一括で受け取るか、年金として分割して受け取るかを選ぶことができます。
また、一部を退職金として受け取り、その残りを年金として分割して受け取ることも可能です。
退職金、年金のいずれで受け取る場合においても、退職所得控除や公的年金控除の対象となるため、税制面でお得です。
メリット3:マッチング拠出分が全額所得控除の対象
マッチング拠出として、個人が出した掛け金については全額が所得控除の対象になります。
これは例えば、毎月3.5万円、年額42万円を社員が拠出したとして、42万円×税率分だけお得になるということです。
所得にもよりますが税率が20%であるとすると、42万円×0.2=9.6万円だけ節税できます。
企業型DCのデメリット
企業型DCのデメリットは、基本的に60歳になるまで掛け金を引き出せないということです。
これは企業型DCがそもそも年金制度の1つとして作られたものなので、仕方ないですね。
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